![[IWJ]宮崎県日向市在住の主婦をめぐる裁判はSLAPPなのか?! 〜黒木睦子さんと日向製錬所を直接取材(前編) 名称未設定](http://shanti-phula.net/ja/social/blog/wp-content/uploads/2014/11/7dd4c3f74f006b34bb1d70d7adebd54e87.jpg)
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[IWJ]宮崎県日向市在住の主婦をめぐる裁判はSLAPPなのか?! ~黒木睦子さんと日向製錬所を直接取材(前編)
0acco☆彡様からの情報です。
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【IWJルポルタージュ】宮崎県日向市在住の主婦をめぐる裁判はSLAPPなのか?! ~黒木睦子さんと日向製錬所を直接取材(前編)
転載元より抜粋)
IWJ 14/11/22
「宮崎の無名の主婦がSLAPP裁判で訴えられている。IWJが取材してくれないか」
10月下旬、ツィッターのフォロワー数が約200人から瞬く間に15,000人にまで急増したアカウントがあった。宮崎県日向市に住む、3人の子どもの母親、黒木睦子さんのアカウントである。一介の主婦である黒木さんに対し、地元の企業が名誉毀損と損害賠償請求を求めて民事裁判を起こしたというのである。
か弱い主婦がSLAPP裁判(※1)で訴えられていると、SNSで大きな反響を呼び、黒木さんを後押しする輪が広がった。11月の半ばに差し掛かる頃、IWJ代表の岩上安身の元にも、「黒木さんの件を取材して欲しい」というリクエストが相次ぐようになった。
しかし、一方で、黒木さんの主張の信憑性を疑う情報も、ネット上に飛びかうようになった。黒木さんへの共感と応援、疑いと批判が交錯した。
。しかし、IWJの代表である岩上さん自身はあまりにも数多くの案件や課題を抱えていて、身動きが取れない。そこで、黒木さんと同じく子供を持ち、女性である私に白羽の矢が立った。
小川を挟んだ目の前に、今回の騒動の中心となっている「日向製錬所」の工事跡地、「第三工区」があった。日向製錬所は地元、日向市でフェロニッケルを生産する企業であり、住友金属鉱山株式会社の傘下にある一流企業だ。その日向製錬所が、「造成工事」と称し、西川内地区で工事を開始したのは、2012年。第一工区から始まり、第二工区、第三工区と、この2年間、工事は続けられたという。
「造成工事」とは、土地を盛るなどして、宅地として整備する工事のことを指すのだが、その際、「グリーンサンド」という材料が運び込まれたことが、今回の問題の発端である。黒木さんは、グリーンサンドによって家族に健康被害が出たと企業や行政相手に訴え続けてきた。
グリーンサンドとは、ステンレス鋼の原料として使用される、フェロニッケルを生産する際に発生する、いわゆる「ゴミ」で、これを細粒化したものが、人工砂として再利用されている。日本工業規格(JIS)の認証を取得していることを理由に、日向製錬所も行政も、「害はない」と反論してきた。
第三工区の目の前に建つ、夫の実家。工事が始まってから家族の体調に異変が
第三工区の目の前には、黒木さんの実家が所有する牛舎小屋が建つ。この実家で多くの時間を過ごす子どもや両親に、体調に異変が現れたと黒木さんは主張する。詳しい話を、黒木さんに聞いた。
――何か、有害なものが降ってきているなと疑われたのは、いつですか?
黒木「2012年5月頃です」
――疑うきっかけとなったのは、子どもやご両親が症状を訴え始めたからですか?
黒木「私も含めて咳が止まらない。子どもは今でも具合が悪い。病院へ行っても『風邪』と診断されるだけです」
――なるほど。ただの風邪という診断で終わってしまうと。因果関係を証明するのは難しいと思いますが、確かだと感じる理由があるのですか?
黒木「グリーンサンドを積み出してから始まったことなので、これしかないな、と自分は思っています」
ツィッター上では一部、「黒木さんの自宅は現場から3kmも離れている。被害を受けるには遠すぎないか」「子どもの診断書はあるのか」といった批判的な投稿がみられる。「風邪以上の診断が受けられない」という理由で、健康被害を裏付ける診断書を持ち合わせてはいないことは確かに気になった。
「グリーンサンドは国も認めた製品」。水質検査から環境基準値50倍のヒ素を検出!?
黒木「風が強い時などは、ぱーっと降ってきて、白いものが舞い上がっているのが目で見て分かる。そういう時は咳が出て止まらなくなるので、日向製錬所に、住民説明会を求めました。第一工区の地権者、日向市役所、日向製錬所、(運搬業者である)サンアイが説明会に参加しました」
――その時、彼らは何と主張したのですか?
黒木「『グリーンサンドは、国も認めた製品だから安全だ』と。でも、宮崎県環境科学協会の水質検査結果によれば、『重金属の含まれた有害物が含まれている』と。そう、検査技師の方に言われたんです」
2012年7月、黒木さんは、地権者の了解を得て、沈殿槽の水を採水し、検査機関に水質検査を依頼した。結果、環境基準値をはるかに超える、ヒ素や鉛、総水銀が検出されたというのだ。
――この検査結果が出たときはどう思いましたか。
黒木「びっくりしたし、採水した時、ものすごく吐き気がしたんです。水の色も薄黒かったし。素手で採ったので、大丈夫だろうかと心配でした。それで、その検査結果を、県に持っていきましたが、駄目だったので、今度は地元の新聞社に持っていったんです」
――「駄目だった」というのは?
黒木「はっきりしたことを言わない。もやもやした感じです。それで、行政側でも水質検査をやったんですよ、私たちの水質検査の後に。結果は『無害』でした」
――日向市役所は、どこに水質検査を依頼したのですか?
黒木「同じ、宮崎県環境科学協会です」
――同じ検査機関に出して、違う結果が出たということですか?
黒木「はい。宮崎県環境科学協会は、(結果について)『分からない』と言うんですよ。『採り方が違うのではないか』とか。でも、私は『あなたの指示通りに採りましたよ』と言いました。
市役所が採水したのは、10月10日でした。ちょうど、その直前になりますが、私たちは地元の新聞記者を連れて、現場に行っていたんです。採水した場所を見せるために。すると、水がきれいになっていたんです。
私たちが採水した状態と違う水になっていて、底の茶色い土が見えるくらいきれいになっていました。『なんでだろう』と思って、市役所に直接行きました。『水がきれいになっているけど、どういうことですか』と。市は『何もしていない。(運搬業者である)サンアイに聞いてください』と。
それで、サンアイに直接行って、『行政側の水質検査があるのに、なぜ水がきれいになっているのか』と聞いたら、『俺たちは何もしてない』と」
黒木さんは、採取する水と土が検査前に入れ替えられたのではないかと、強い疑念を今でも抱いている。同じ場所で採水した水が、一方では有害と出て、もう一方では無害と出た結果が出た。その主張がこの2年、ずっと平行線のまま続き、今回、裁判へと発展したというのである。
――「工事」という言葉の意味が良く分からないのですが。
黒木「グリーンサンドを投棄することを、『工事』と呼んでいるんです。ここの第一工区の工事は終わり、向こうにある第二工区、そして、第三工区まで、この2年間ずっと業者は捨て続け、私はずっと訴え続けました。今はもう工事は終わっています」
――投棄(工事)が終わったと言っても、グリーンサンド自体はゴミとして出続けるのではないですか?
黒木「周りの噂では、『ここには全部グリーンサンドが入ることになるぞ』と。今、山を削っているところなどに」
――今回、訴状が来たのはいつですか?
黒木「日向製錬所から10月1日、(運搬業者の)サンアイからは10月2日です。突然、裁判所から封書届きました」
――内容は読んで分かりましたか?
黒木「内容が一方的で、私が悪いというものばかりです。全然意味が分からない。なぜ、そこまで書けるのか、意味が分かりません」
――黒木さんをある意味黙らせようという意味で訴えたとしたら、恐いとは思わないのですか。子どもも3人いらっしゃいます。もう、やめようと思ったことは。そこまで強い意志を持って続けられるのはなぜですか?
黒木「子どもです。それから、あそこに新しく家をたてないといけないし、親も看なければいけない。これからがあるからです。困るから、きれいに片付けてもらいたい」
――ブログを始められたのは今年ですよね。ツィッターも。なぜ始めようと?
黒木「新聞社とかが、信用したらそれっきりになったので(信用して取材を受けたが、記事にならなかったので)、自分でやるしかないと思って」
――地元じゃない人たちからの反響がとても大きいですが、どう思いますか?
黒木「他人事ではなく、自分の身になって考えてもらえるのかなと思っています」
県の内外から駆けつけた、黒木さんの支援者で法廷の傍聴席は満席に
翌日11月14日は、宮崎県地方裁判所、延岡支部第二法廷において、第一回口頭弁論が行われた。
(IWJ・ぎぎまき)
(後編に続く)
現地調査のため、可能な方はご協力を!
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10月下旬、ツィッターのフォロワー数が約200人から瞬く間に15,000人にまで急増したアカウントがあった。宮崎県日向市に住む、3人の子どもの母親、黒木睦子さんのアカウントである。一介の主婦である黒木さんに対し、地元の企業が名誉毀損と損害賠償請求を求めて民事裁判を起こしたというのである。
か弱い主婦がSLAPP裁判(※1)で訴えられていると、SNSで大きな反響を呼び、黒木さんを後押しする輪が広がった。11月の半ばに差し掛かる頃、IWJ代表の岩上安身の元にも、「黒木さんの件を取材して欲しい」というリクエストが相次ぐようになった。
- (※1)人々を黙らせ、威圧し、苦痛を与えることを目的として起こされる報復的な民事訴訟のこと(SLAPP情報センター: http://slapp.jp/slapp.html)
しかし、一方で、黒木さんの主張の信憑性を疑う情報も、ネット上に飛びかうようになった。黒木さんへの共感と応援、疑いと批判が交錯した。
。しかし、IWJの代表である岩上さん自身はあまりにも数多くの案件や課題を抱えていて、身動きが取れない。そこで、黒木さんと同じく子供を持ち、女性である私に白羽の矢が立った。
小川を挟んだ目の前に、今回の騒動の中心となっている「日向製錬所」の工事跡地、「第三工区」があった。日向製錬所は地元、日向市でフェロニッケルを生産する企業であり、住友金属鉱山株式会社の傘下にある一流企業だ。その日向製錬所が、「造成工事」と称し、西川内地区で工事を開始したのは、2012年。第一工区から始まり、第二工区、第三工区と、この2年間、工事は続けられたという。
「造成工事」とは、土地を盛るなどして、宅地として整備する工事のことを指すのだが、その際、「グリーンサンド」という材料が運び込まれたことが、今回の問題の発端である。黒木さんは、グリーンサンドによって家族に健康被害が出たと企業や行政相手に訴え続けてきた。
グリーンサンドとは、ステンレス鋼の原料として使用される、フェロニッケルを生産する際に発生する、いわゆる「ゴミ」で、これを細粒化したものが、人工砂として再利用されている。日本工業規格(JIS)の認証を取得していることを理由に、日向製錬所も行政も、「害はない」と反論してきた。
第三工区の目の前に建つ、夫の実家。工事が始まってから家族の体調に異変が
第三工区の目の前には、黒木さんの実家が所有する牛舎小屋が建つ。この実家で多くの時間を過ごす子どもや両親に、体調に異変が現れたと黒木さんは主張する。詳しい話を、黒木さんに聞いた。
――何か、有害なものが降ってきているなと疑われたのは、いつですか?
黒木「2012年5月頃です」
――疑うきっかけとなったのは、子どもやご両親が症状を訴え始めたからですか?
黒木「私も含めて咳が止まらない。子どもは今でも具合が悪い。病院へ行っても『風邪』と診断されるだけです」
――なるほど。ただの風邪という診断で終わってしまうと。因果関係を証明するのは難しいと思いますが、確かだと感じる理由があるのですか?
黒木「グリーンサンドを積み出してから始まったことなので、これしかないな、と自分は思っています」
ツィッター上では一部、「黒木さんの自宅は現場から3kmも離れている。被害を受けるには遠すぎないか」「子どもの診断書はあるのか」といった批判的な投稿がみられる。「風邪以上の診断が受けられない」という理由で、健康被害を裏付ける診断書を持ち合わせてはいないことは確かに気になった。
(続きはここから)
「グリーンサンドは国も認めた製品」。水質検査から環境基準値50倍のヒ素を検出!?
黒木「風が強い時などは、ぱーっと降ってきて、白いものが舞い上がっているのが目で見て分かる。そういう時は咳が出て止まらなくなるので、日向製錬所に、住民説明会を求めました。第一工区の地権者、日向市役所、日向製錬所、(運搬業者である)サンアイが説明会に参加しました」
――その時、彼らは何と主張したのですか?
黒木「『グリーンサンドは、国も認めた製品だから安全だ』と。でも、宮崎県環境科学協会の水質検査結果によれば、『重金属の含まれた有害物が含まれている』と。そう、検査技師の方に言われたんです」
2012年7月、黒木さんは、地権者の了解を得て、沈殿槽の水を採水し、検査機関に水質検査を依頼した。結果、環境基準値をはるかに超える、ヒ素や鉛、総水銀が検出されたというのだ。
――この検査結果が出たときはどう思いましたか。
黒木「びっくりしたし、採水した時、ものすごく吐き気がしたんです。水の色も薄黒かったし。素手で採ったので、大丈夫だろうかと心配でした。それで、その検査結果を、県に持っていきましたが、駄目だったので、今度は地元の新聞社に持っていったんです」
――「駄目だった」というのは?
黒木「はっきりしたことを言わない。もやもやした感じです。それで、行政側でも水質検査をやったんですよ、私たちの水質検査の後に。結果は『無害』でした」
――日向市役所は、どこに水質検査を依頼したのですか?
黒木「同じ、宮崎県環境科学協会です」
――同じ検査機関に出して、違う結果が出たということですか?
黒木「はい。宮崎県環境科学協会は、(結果について)『分からない』と言うんですよ。『採り方が違うのではないか』とか。でも、私は『あなたの指示通りに採りましたよ』と言いました。
市役所が採水したのは、10月10日でした。ちょうど、その直前になりますが、私たちは地元の新聞記者を連れて、現場に行っていたんです。採水した場所を見せるために。すると、水がきれいになっていたんです。
私たちが採水した状態と違う水になっていて、底の茶色い土が見えるくらいきれいになっていました。『なんでだろう』と思って、市役所に直接行きました。『水がきれいになっているけど、どういうことですか』と。市は『何もしていない。(運搬業者である)サンアイに聞いてください』と。
それで、サンアイに直接行って、『行政側の水質検査があるのに、なぜ水がきれいになっているのか』と聞いたら、『俺たちは何もしてない』と」
黒木さんは、採取する水と土が検査前に入れ替えられたのではないかと、強い疑念を今でも抱いている。同じ場所で採水した水が、一方では有害と出て、もう一方では無害と出た結果が出た。その主張がこの2年、ずっと平行線のまま続き、今回、裁判へと発展したというのである。
――「工事」という言葉の意味が良く分からないのですが。
黒木「グリーンサンドを投棄することを、『工事』と呼んでいるんです。ここの第一工区の工事は終わり、向こうにある第二工区、そして、第三工区まで、この2年間ずっと業者は捨て続け、私はずっと訴え続けました。今はもう工事は終わっています」
――投棄(工事)が終わったと言っても、グリーンサンド自体はゴミとして出続けるのではないですか?
黒木「周りの噂では、『ここには全部グリーンサンドが入ることになるぞ』と。今、山を削っているところなどに」
――今回、訴状が来たのはいつですか?
黒木「日向製錬所から10月1日、(運搬業者の)サンアイからは10月2日です。突然、裁判所から封書届きました」
――内容は読んで分かりましたか?
黒木「内容が一方的で、私が悪いというものばかりです。全然意味が分からない。なぜ、そこまで書けるのか、意味が分かりません」
――黒木さんをある意味黙らせようという意味で訴えたとしたら、恐いとは思わないのですか。子どもも3人いらっしゃいます。もう、やめようと思ったことは。そこまで強い意志を持って続けられるのはなぜですか?
黒木「子どもです。それから、あそこに新しく家をたてないといけないし、親も看なければいけない。これからがあるからです。困るから、きれいに片付けてもらいたい」
――ブログを始められたのは今年ですよね。ツィッターも。なぜ始めようと?
黒木「新聞社とかが、信用したらそれっきりになったので(信用して取材を受けたが、記事にならなかったので)、自分でやるしかないと思って」
――地元じゃない人たちからの反響がとても大きいですが、どう思いますか?
黒木「他人事ではなく、自分の身になって考えてもらえるのかなと思っています」
県の内外から駆けつけた、黒木さんの支援者で法廷の傍聴席は満席に
翌日11月14日は、宮崎県地方裁判所、延岡支部第二法廷において、第一回口頭弁論が行われた。
(IWJ・ぎぎまき)
(後編に続く)
現地調査のため、可能な方はご協力を!
http://bit.ly/11wA1F5
【日向製錬所産廃問題ネットワークが始動しました】
科学調査に協力をお願いします!
カンパ先 ゆうちょ銀行
記号:17340 番号:15260261 (店名:七三八 (読み:ナナサンハチ)
店番:738 普通:1526026 口座名義:ヒュウガセイレンジョサンパイモンダイネットワーク
【日向製錬所産廃問題ネットワークが始動しました】
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店番:738 普通:1526026 口座名義:ヒュウガセイレンジョサンパイモンダイネットワーク
地球を破壊し逃げ続ける人間はまだまだ、たくさんいます。日向のこの産廃問題もその1つです。
私たちは、こういう姑息な連中を見逃すことなく気付き続けていなければ地球を守ることはできません。