チタン廃棄物から漏れる

放射性物質の恐怖

「福島の除染作業から排出される放射能汚染土の最終処分場の

最有力候補が鹿児島県の南大隅町である!」

というニュースが8月23日の夕方突然報道されたその2日後


25日に南大隅町役場にて「南おおすみの自然を守る会:
以下、守る会」による反対集会が開催された

しかしこのような「核のゴミ」は

原発事故以前からも全国に拡散していた

各地で「核のゴミ」によって引き起こされている問題に迫った

◆膨大なチタン廃棄物からウラン、トリウム検出


’90年7月

岡山県邑久郡邑久町の錦海塩田跡地にある産廃最終処分場で

毎時5μSvという通常値の50倍もの放射線量が測定された

埋められていたのは、放射性チタン廃棄物

チタン鉱石から硫酸を使ってチタンを抽出したあとに排出される
汚泥や鉱さいのことだ

その量26万t


ところがここだけではなかった
岡山県内だけで10か所で140万t

岡山県外でも
大阪湾
兵庫県神戸市
三重県四日市市
福島県いわき市
山口県山口市
秋田県岩城町
神奈川県茅ヶ崎市
兵庫県尼崎市と
全国各地の「酸化チタン」工場周辺が廃棄した膨大な量の
チタン廃棄物すべてからウランやトリウムが検出された
のだ

ところが、科学技術庁(当時)は、「チタン関連の工場や処分場の放射線量は十分低く、労働者等の健康被害もない」との「安全宣言」を出し、この問題を収束させた。

’91年6月には
科技庁
厚生省
通産省
労働省の4省庁が

関係自治体やメーカーに
「チタン廃棄物の放射線量が年間1mSv以下の場合は
工場外に搬出できる」

「それ以上の場合は自社で回収する」
との基準を示した

これにより放射性廃棄物であるチタン廃棄物は
普通の産廃として位置づけられることになった
のだ

通常
ウランやトリウムなどの「核原料物質」は
原子炉等規制法の下で厳重な管理が求められるはずなのに

この件で
岡山県の市民団体の調査に協力した京都大学原子炉実験所の
小出裕章氏はこう語っている

「そもそも
廃棄物の総量が大きな危険をはらんでいます
酸化チタンの生成過程で排出される放射性廃棄物は年間で60万t

ドラム缶に換算すると300万本ですよ
これがどれほどすごい量かというと原発からの放射性廃棄物は
ドラム缶にして年間2万本にもならない
企業とすれば
適正な処理よりも捨てるほうが楽なわけです」


現在
チタン廃棄物は管理型最終処分場に運ばれているが
場所によっては
処分場から赤い水が流れてくる地区もあるという

多くの住民はそれが放射線を放っていることすら知らない

はずだ

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行き場のないウラン残土は、いまでも野積みされたままだ

― 全国に拡散する行き場のない「核のゴミ」【3】 ―